導入
今回記事を書くにあたり参考にした動画はこちらです!
踊り方
まず合掌して、足を揃える。腰を少しだけ前に曲げて、「観音腰」という態勢を取る。そこから、念仏と合わせて、足を動かし始める。先に爪先を挙げて、踵から前に下ろし、徐々に重心を移す。後退の場合はその正反対で、踵を挙げて、爪先から後ろに下ろす。踊る時には、注意力を常に足の裏に集中させ、体重の移動を念ずる。

時宗の教えとの関連
現在の強調
時宗の「時」の一つの意味は、「とき」を強調することである。どんな時に言うといっても、過去・未来ではなく、現在のことである。要するに、過去の振り返りや未来の不安にも囚われず、ただただ目の前の「今」だけに集中する。修行者は踊っている時には、前述の通り、足の裏の体重に念じ、それ以外のことを考えられず、「現在」に住むとは言える。

二河白道
浄土系の宗派には、「二河白道」と言う、往生への道を譬喩した教えがある。生と死を象徴する此岸と彼岸の間に、細い白い道がある。道の両側には二つの河がある。一方には慳貪を象徴する水河、もう一方には瞋恚を象徴する火河がある。彼岸に向けて白道の上を歩く時、気をつけないと、どちらかの河に落ちる危険がある。この譬喩が伝えたいのは、往生を求める修行者が持つべき、慳貪と瞋恚に用心する態度である。そのため、踊念仏をする時にも、この二河白道の上を気をつけて歩くように、ゆっくり足を踏み込むべきである。

踊ってみた!
正式な訓練を受けたことはありませんが、動画と指示を真似して、少しだけ踊念仏を試してみました。普段歩く時には、足の裏のような体の一部に意識することはしませんので、その点は予想以上に難しかったです。しかし、動く要素がありますので、坐禅のようなただ座る修行法と比べると、集中しやすく、とても有益な修行法だと思います。 自分は色々な武術・武道をした経験がありますので、その中の練習との相似な点に気づきました。確かに、套路・形のような決まった動きを繰り返すと、トランスのような精神状態に入ることがあります。動く速度については、実は速い動きよりも、遅い動きの方が集中力を必要とします。太極拳のような、ゆっくりした套路では、体の姿勢などの細かい点を速度で誤魔化せないため、毎分毎秒注意しないと、間違いは明白に見えます。しかし、意識しすぎると、動き全体の連結性を失い、不自然になります。おそらく、踊念仏にも、このようなバランスが求められるでしょう。

ちなみに腰の曲がり方と足の踏み方は、中国武術の「心意拳」と言う流派の動きとすごく似ていますので、興味のある方は是非ご覧ください!
原始仏教との対応
踊念仏には、日本独特の文化であると同時に、初期仏教の経典の中にも依拠がある。現代では、パーリ語・漢語・チベット語圏の仏教全体に認められる「阿含経」というジャンルの経典の中に、「念処経」という経典がある(漢:中阿含経98、パーリ:MN 10)。経典の中には、身体・感受(快・不快)・精神・教理という四つの瞑想・集中の柱がある。身体の「行住坐臥」の中では、「行」は特に踊念仏と似ている。それ以外にも、体の感触、精神状態、そして教えとの連結という点で、まさに四念処を満たす修行であると言える。
感想

教えとの相応もでき、特色もあり、踊念仏は実に素晴らしい修行でした。
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日本文化を勉強しているジャスパーです!今回は、日本独自の宗派、時宗の特徴ともいえる、踊念仏についてまとめました。私の国、シンガポールにもない文化、とても楽しみです!