記事更新:2025年1月27日(月)
本記事では、デスカフェについて主催の中藤さんに聞いたお話しを元にまとめています。デスカフェは、名前こそ怖そうですが、グリーフケアとして機能する大切なイベント空間です。
ちなみに、こちらの記事内容は動画でもまとめておりますので、よろしければこちらもご笑覧くださいませ。
本記事の目次
デスカフェとは
カジュアルに「死」を語る場『デスカフェ』
ところで、みなさんは日常の会話で「死」の話をしたことはありますか?
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たとえば、とある1日に、
なんて誰かがいうと、
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縁起でもない、暗い話題はやめよう。
と、すぐに流されてしまうのではないでしょうか。
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現代の日本では、「死」がタブー視されていると言われます。誰でも自分は勿論、家族や友人、好きな芸能人も、死ぬことを想像したくないものです。
しかし、全ての人間にいつか死は訪れます。それは30年後かも、5年後かも、明日かも知れません。 それくらい、死は本当に身近なことです。
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だったらもっとカジュアルに『死』を話してもいいじゃん!
そんな想いから生まれた、「死」をカジュアルに話せる場、それが『デスカフェ』です。
デスカフェの歴史
世界に広がる、デスカフェ
さて、このプロジェクトの起源は1999年に遡ります。スイスの社会学者バーナード・クレッタス氏が、妻を亡くしたことをきっかけに、死について語り合う場を思いつきました。
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その後、イギリスの社会起業家ジョン・アンダーウッド氏が、デスカフェの指針を示す『deathcafe.com』を2011年に立ち上げました。
そして、瞬く間に、デスカフェは世界中に広まりました。
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なんと、現在では世界70カ国以上で10000回以上のデスカフェが開催されているそうです!
2016年からデスカフェを続けている主催者のデス・カフェ@東京さん。
元々は、仙台グリーフ研究会に所属し、震災で大切な人を亡くされた方の心のケアを行なっていました。
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6年前、仙台グリーフケア研究会の活動に区切りを付け、「この経験を活かして、新しいことがしたい!」と考えていたとき、偶然ニュースサイトで、デスカフェの存在を知りました。「これなら自分にもできそうだ!」そう思い、日本でデスカフェをオープンする決意をしました。
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海外にスキームはあったとはいえ、死に対しての価値観が違う文化圏の日本へ持ってくるのは容易ではなかったと思います。ご苦労も多かったのではないでしょうか。
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「こんなことをして人が集まるのかな?」と最初は迷いもあり第1回デスカフェは、仲間内5〜6人のみで開催しました。すると、その情報を知り「自分も協力したい!」と手を挙げる人が次々現れ、第2回には大勢の人が集まりました。「ニーズがあるんだ!」と、この時とても勇気が湧きました。それ以降は迷いなどもなく活動しています
そして、現在は全国各地で、さらにはオンラインで開催されるまでに広がりを見せています。
デスカフェのカフェルール
デスカフェってどんなことをするの?
デスカフェでは、お茶やコーヒーを片手に「死」について語ります。その時、ルールが大きく4つあります。
①議論やジャッジをする場ではない
②グリーフケアやカウンセリングの場ではない
③自死や自殺を誘う場であってはならない
④その場で話した秘密は口外禁止
以上の4つさえ守れば、内容は自由です。みなさんバラエティに富んだデスカフェを開いておられます。
感想
えいしょうが共催をさせていただいて感じたこと
初めてデス・カフェ@東京さんと共催させていただいたのは、SNSでの出会いからでした。
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固定した方の参加が多くなってきたので、新しい人たちにも体験してほしい……
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それなら、私が普段イベントをやっている場所でやってみましょう!
こうして、オンラインでのデス・カフェを開催しました。
感想は動画にしておりますのでぜひご覧ください。
(基本的にデスカフェは話を外でしてはいけませんが、今回は事前に許可を得ています。)
■当時の後日談 + デスカフェとはを語っていただいた動画
この時は、20代の参加者が多く、当時の流行の話題がたくさん出てきました!主催者さんの熱い思いも伝わりおススメの動画です。
参加者の方からのお話の傾向
最初、デスカフェといえば死後の世界がメインかなと思っていましたが、
比較的死後の話よりも、どう生きていくかに関わる話が多いなと感じました。
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自分の人生のゴールが死、だからこそ逆算してどういう最後を迎えたいかからどう生きるかを考えるのが大事だと個人的には考えています。
この死生観は、個人個人様々ですし、デスカフェの場では必ず否定はなしというルールがあります。いろんな方の死生観を伺うことで、「あ、そんな考え方もあるのか!」という発見が毎回あります。
デスカフェはとても大切
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私が一番思うのは、グリーフケアの観点です。死を想定する、死について考える機会がないままに、突然死に向き合うことになると、心が追い付かない気がしています。日頃から、心の準備をすること、避難訓練と同じで、いざという時に備えることは日々の安心感にもつながる大切なことだと思います。
私が死んだら、遺骨は海に撒いてくれたらいいわ。