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本の制作用ページ

【初夏の夕方】

高校2年生の杠葉薫(ゆずりは かおり)は、トボトボと下校をしていた。

薫 かおり

(はぁ、新しいクラスまだ慣れないなぁ、このまま3月までクラス馴染めなくて、かるた部に入り浸る未来が見える…。いっそ異世界にでも転生したいなあ)

ため息をつき、最近見たアニメのエンディング曲を聴こうとしたところ

薫 かおり

(えっ?右手の甲になにか変な模様が…)
(やばい、誰かに見られたら変な人に思われる!)

そう思うと同時に、ふと視線を感じ振りかえると、後ろに浮いている子供(?)がいた。

薫 かおり

うわっ! 何?

ナギ

オレの名前はナギ。他の人には見えないし声も聞こえない霊獣だ。そんなに驚かなくていいぞ。

薫 かおり

霊獣って…?

ナギ

普段は霊界と言う所に住んでいる、まぁ精霊みたいなものだ。

薫 かおり

(なにそれ?) それで、私に何か用ですか?

ナギ

杠葉薫、お前は選ばれたんだ。お寺や神社で「謎解き」をする者として。手の紋がその証拠だ。

薫 かおり

謎解き…なんか、数字とか文字とか使う変な問題ですか?

ナギ

そんな感じだ。詳しい話はお前の家でしよう。

薫 かおり

え。(家までついてくるの?ちょっと恥ずかしいんだけど…)

ナギ

さて、家はどっちだ?

薫 かおり

(でも、紋は何とか消したいしなぁ…)こっちです。