【翌日の払暁】 薫の家
この寺のどこかに、開かない部屋があるはずだ
寺の門をくぐると、2人はお堂の前で掃除をしているお坊さんに出会った。
オレはお坊さんには見えないから、お告げってことにした方がいいぞ
(お告げ、怪しまれないかなぁ…?頭おかしいとお坊さんに思われて、瞑想を5時間やらされたり?それとも普通に病院を勧められたり?)
おい、立ち止まってどうした。いくぞ。
あ、あの~
こんにちは。どうされましたか?
あの~、つかぬこと伺いますが、開かない部屋がありませんか?私、その部屋を開けられるっていうお告げがありまして…
どうしてそれをご存知…おや、その右手の模様、開かない部屋の襖にもありましたね。おそらく何か関係があるのでしょう。なぜあの部屋は開かないのでしょうか?
模様が見えるのか。どうやら神社や寺を管理する者にも、少し霊力が宿っているようだな
扉が開かない理由は私にもわからないのですが、ただその部屋を開けるようにお告げがありまして…(お告げごり押しでいけるんだろうか?)
なるほど、、不思議なこともあるものですね、、。わかりました。ご案内します
(なんとかなった!)
薫は、開かない部屋の前に案内された。
手と襖の模様に、似た種類の霊力を感じる。おそらく重ねれば反応するはずだ。
(謎解きできなかったら部屋閉じ込めかなぁ。一生座禅とか? …というか、入るとき大丈夫?普通に開いてくれる?)
また妄想か? ここまできたら行くしかないぞ。
そ、そうですね。行きましょう
薫は深呼吸をし、襖と手の甲の模様を重ねる。すると襖は開かないまま、薫とナギは襖に吸い込まれるように部屋に入った
すごい…一瞬、無重力になった感じだったなあ