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お寺とお寺をM&Aしてみた!!Part3~ついに実行へ!~

スズ

インターン生のスズです!

前回の記事では、「お寺とはどのようなものであるのか」と両寺院の現状についてお話しました!

今回は、近藤さんがお寺を合併する際、実際にどんな困難があったのかについて詳しくお話していきたいと思います!!

合併の経緯

近藤さんが住職に就任した平成21年頃から妙性寺本堂再建の話は出ていたようです。

合併までの経緯は近藤さんが以下の画像にまとめてくれています。

本堂建設が上手く進まなかった理由としては、やはり檀家さんの存在が大きかったようです。

新しい建物を建てるとなると檀家さんの寄付がどうしても必要になってきます。お金の負担を背負うことになるので、檀家さんは本堂建設に否定的でありました。

しかし、平成26年に檀家さんのリーダー的存在である総代の奥様が亡くなったことをきっかけに土地の寄進が行われ、本堂建設が現実的になってきました。

平成27年には本堂建設のための準備積立金を開始し、着々と建設に向けて動き出していきました。

その頃、近藤さんのお父様が住職を務める妙福寺でも本堂建設の話が上がってきました。

これを機に近藤さんはお父様に妙性寺と妙福寺の合併の話を持ち掛けました。

ですが、お父様の反応は否定的でした。その後も働きかけてはみるものの合意は得られずお父様とも疎遠になってしまったようです。

その状態をみた先輩僧侶の方が仲裁に入ってくれたことでやんわり合意を得られたようですが、その後も話はあまり進まなかったようです。

元号が令和に代わり3年が過ぎたころ、ついに合併への大きな一歩を踏み出します。

妙福寺の筆頭総代(役員さん)と会談をし、合意協議を両住職と両寺院総代役員で開始する運びとなりました。

しかし、これも思うようには進まず、難航を極めます。

その後、日蓮宗の本部である宗務院や、山梨県の行政書士、両住職、両総代役員で合併説明会を開催し、合意を得ることとなりました。

合意は得られたのですが、建物の建設計画にて条件交渉がうまくいかず交渉が決裂してしまいます。

そんな状況の中、令和4年の夏に近藤さんが妙性寺・妙福寺の二つのお寺の住職になることをお父様と合意し、秋に妙福寺の住職を交代し法的根拠をもって合併を再合意へと進めました。

令和5年の2月に合併手続きが終了し、3月には建設計画案承認、発注へと進みました。この年の8月には近藤さんに対する怪文書が流出したこともあったようです。初めての試みであることもあってか、周りからは近藤さんがお寺を乗っ取ろうとしているように見えた人もいたようです。

この困難を乗り越え、令和6年3月に工事を開始しました。

いよいよ、本堂建設ヘ

これまでは合併の経緯についてお話してきましたが、実際に合意に至った内容についてこれからお話していこうと思います。

「合併」となるとどちらかの土地に施設を移さなければなりません。

前回の記事で妙性寺と妙福寺の現状の現状についてお話させていただきましたが、ここでも簡単にまとめてみました。

両寺院の現状について

妙福寺は妙性寺に比べ土地も広く、人口増加地域に位置しているため新しく建物を建設するにふさわしい場所です。

加えて、妙性寺は土地が狭く充分な駐車スペースがありません。しかし、永代供養・樹木葬に関わる人が多いため広い駐車スペースが必要でした。

こうした現状から、合併は『妙福寺本堂・庫裏建設 妙性寺会館』という内容で進められることになりました。

広い土地を所持している妙福寺に妙性寺の施設を移すことで、足りない駐車スペースの確保にもつながります。

以上の理由から、妙福寺の方に建物を建設するかたちで合併が進んでいきます。

完成イメージ図

こちらが完成イメージの画像です。

お寺というより現代建築のような建物ですよね。実はこの形にしたのには訳があるのです。

近藤さんのもとに、ある檀家さんが法事がしたいとお願いにきたことがあったようです。その檀家さんは車椅子の方で、階段がある本堂には上がれないと言いました。

その方は、「法事の最中は外で待っているから窓を開けておいてほしい」と仰ったそうです。

なんだか悲しくなってくるお話ですよね・・・。

お寺というのは本来人々の苦しみを取り除き、癒す場所です。ですが近藤さんはこの出来事から、「建物で人を苦しめているのではないのか」と考えるようになったそうです。

お寺本来の役割を果たすために、車いすの方でも入れるようにしたいと思い、バリアフリー化を取り入れたデザインを考えたようです。

ですが現代建築では「お寺らしさ」が失われているという意見も多数出てきました。そこで少し意見が対立したようです。

それでも話し合いを重ね、この現代建築風の案を採用したようです。

そしてこちらが完成間近の会館の様子を写したものになります!!

現代建築風とはいえ、かなりお寺に近い姿ではありませんか?

屋根の反り具合などがお寺のような雰囲気を感じさせますよね!!

現在は工事も終了し、新本堂は完成したようです!

まとめ

いかがでしたでしょうか!

今回は合併への経緯から新本堂完成までをまとめてみました!

10年以上かけて取り組んだ合併がこうして形になるのは本当に素晴らしいことだと思います。きっと、時間をかけ、背を向けずに取り組んだ近藤さんだからこそ実現できたことなのでしょう。

私自身もこの姿勢を大事にしようと思いました。

次回は新本堂を建築する際に、出てきた意見とそれをどう解決していったのかについてまとめていこうと思います!